5月1日

 4月に参加した鬼たいじマラニックで、福岡の古屋さんから、萩往還は前日の5月1日の夕方から県庁駐車場に泊まるからおいでと誘われていた。萩往還には初めて参加するので経験者とご一緒させていただけるのは心強いし、2日の午後6時からのスタートに備えてなるべく早めに現地入りして体を休めておきたいという気もちがあったので、古屋さんとご一緒することにした。

 なんとか荷造りを終え、広島の自宅を出発したのは1日の午後1時。山口までかなり時間がかかると思っていたので、夕方6時までの受付には間に合わないかと焦ったが、ひどい渋滞もなく、午後4時前には県庁駐車場に着いてしまった。山口県庁は想像していたよりも大きく立派な建物で、広大な敷地を擁していた。外来用の駐車場もいくつかあって、古屋さんがどこにいらっしゃるかわからない。とりあえずいくつか回ってみてもいらっしゃらないので、まだ来られていないと判断し、とりあえず瑠璃光寺に受け付けに行くことにした。

 瑠璃光寺は県庁から近いところにある。歩いていると、何人かのランナーらしき人たちと擦れ違った。その中の一人に声をかけてみると、なんと福島からの参加だとのこと。福岡まで飛行機で飛んでこられたそうだ。かなり時間と費用がかかりそう。私の場合は車を使って3時間。高速費用も3,000円しないため、非常に恵まれていると思った。

 瑠璃光寺の入り口あたりに人だかりがあった。ここに古屋さんがいらっしゃった。早速挨拶をする。県庁に着いてから車でここまで移動してきたそうだ。隣には奥様がいらっしゃった。奥様とは初対面。今回、奥様は古屋さんの応援をして、その後で35キロのウォークの部に参加されるそうだ。他の皆さんは萩往還の常連さんのようで、久し振りに再会した同窓会のような感じで話に花が咲いているのだった。この集団の中にクニさんがいらっしゃったので、挨拶をした。クニさんはUMMLのメンバーで、萩往還マラニック大会の実行委員会公認のWebサイトを運営し、萩往還のコースガイドをネット上で公開している人。萩往還に参加する者ならば必ずそのコースガイドには目を通しているはずだ。

 相当な時間が経ってから、ようやく受付に行くことになった。実は古屋さん以外の皆さんは受付を終わっていたので、私と古屋さん、そして古屋さんの奥さんの三人で受付に向かった。無事受付を終え、名簿を見てみると、やはり私の名前が間違えられている。運良く、名札の名前は合っているのだが。早速、名簿の名前が間違えられていることを話す。完踏証の名前を間違えて欲しくないからだ。完踏できればの話だが。

瑠璃光寺の受け付け風景
瑠璃光寺の受け付け風景

 受付を終わって帰ろうとしたとき、森下さんがいらっしゃった。彼は平成12年から萩往還の250キロの部の三連覇を成し遂げている。今回は四連覇に挑戦だ。トップランナーなので、怖そうな人だと想像していたのだが、気さくで人の良さそうな若者だった(と言っても、年齢は私とあまり違わないのだが)。古屋さんは彼と知り合いのようで、紹介していただいた。指を怪我しているそうだ。現在、単身赴任中で、自炊しており、キャベツを切るときに包丁で指を切ったそうだ。痛そう。

 その後、徳島の宮本さんがいらっしゃった。彼も4月に鬼たいじマラニックで走ったランナー。鬼たいじマラニックで走る距離は50キロなのだが、彼の場合はそれでは足りないらしい。徳島から高松まで走ったそうだ。そして岡山までやってきて50キロを走ったとのこと。宮本さんのほかに、平井さん、住友さんというお二人も徳島からいらっしゃっていた。彼ら3人はいつも一緒に練習されており、大会に参加するときは、ほとんど走っていくとのこと。フルマラソンなんて42キロで終わってしまうが、その前に60キロ走れば、合計で100キロの練習になるとのこと。目からウロコ状態だ。こういう人たちも世の中にはいるんだ。というか、こういう人たちが走るのが萩往還なのだ。甘ちゃんの自分は大丈夫だろうか? 不安が頭をよぎる。

 瑠璃光寺の駐車場に着いた。古屋さんの車で一緒に県庁に移動することになった。彼は車を2日前に買い換えたそうだ。またキャンピングカー。今回は前のよりも少し小さくなっており、日常の使い勝手もよさそう。1年落ちの中古を入手されたそうで、まだ新車と言ってもいいほど綺麗な車だった。価格を聞いてびっくり。こんな価格ならば、私も欲しい。車には森下さんも一緒に乗って、彼の車を停めている駐車場を経由することになった。

 県庁に到着して古屋さんの車の中でお菓子とジュースを頂いて、いろんな話をした。その後で、しばらくすると、宮本さんの車もやってきた。これでメンバーは古屋さん夫妻、宮本@徳島さん、平井@徳島さん、住友@徳島さん、そして私の6人となった。萩往還で使うバッグの話、その中身の話、ウェアの話、シューズの話、走るペースの話。どの話題も私にとって有用な話ばかりだった。話している途中で、古屋さんから鉄剤、亜鉛剤、ヴァーム粉末、塩昆布を頂いた。

 このメンバーでお風呂に行くことにする。私と宮本さんの車を駐車場に残して、古屋さんのキャンピングカーで湯田温泉に移動した。向かう先は「湯楽里(ゆらり)」。スーパー銭湯のような名前だ。一応、湯田温泉街にあるのだから、温泉だろうか? よくわからない。ここで一時間入浴して、夕食を食べに出ようかと思っていたら、この建物の中の食堂に割りと安くておいしそうなメニュー(湯楽里定食)があったので、ここで食べることにした。アルコールがダメだという古屋さん以外は生ビールを注文した。なんだか悪い気がしたが、古屋さんが是非飲んでくれと言われるので、私も生ビールを注文した。お風呂上りのビールは最高だ。ごめんなさい。ドライバーの古屋さん。

 夕食を終えて、県庁に帰る途中で、平井さんと住友さんを降ろす。彼らは途中のサンルートホテルに泊まるとのこと。古屋さん夫妻と宮本さん、そして私は県庁駐車場で車中泊だ。と言っても、古屋さんはキャンピングカーだし、宮本さんも手作りのキャンパー。私も車の屋根の上にコロンブス(カーテント)を載せている似非キャンパー。シートを倒してフルフラットシートという名前ばかりの凸凹シートで寝ることはない。皆快適に寝る環境を持っているのだ。

 駐車場で、車内を寝る状態に整理した後で、トイレツアー。ここに泊まったことのある古屋さんにトイレの位置を教えていただいたのだ。距離は駐車場から歩いて1〜2分くらいだろうか。バス停横に綺麗なトイレがあった。トイレットペーパーも豊富だったし、清掃も行き届いている。これだけ綺麗な公衆トイレは珍しいかも。やはり県庁前だからなのか、山口にはオバカさんがいないのか、後者であって欲しい。

 車に戻って、屋根のテントに登って寝た。時間は午後10時頃だろうか、明日の朝は午前10時頃に一緒に食事をすることになっていた。しかしなかなか寝られなかった。夜中に何度も起きてトイレに行く。午前4時頃もトイレに起きたのだが、余りにも寝られないので、メラトニンを飲むことにした。メラトニンは時差ぼけ等の解消剤。軽い睡眠薬だろうか。飲むと体がだるくなるのだが、スタートまで14時間もあるから大丈夫だと判断した。


5月2日

 朝の8時頃に目が覚めた。寝られなかったとはいえ、これでも10時間は寝転がっていたことになる。車内に入って車載テレビでNHKの連続テレビ小説を観る。こんなことやっていいのだろうか? それにしても暑い。朝の8時なのだが、既に気温はかなり上昇しているように思う。テレビを観終わって、そのまま車内で寝転んでいた。外が騒がしくなってきたので車外に出てみた。宮本さんや古屋さんが起きられていた。朝食は古屋さんのカップラーメン。お湯を沸かして頂いて、皆が古屋さんのキャンピングカーの中で食べた。

 そうこうしているうちに、ホテルに泊まった平井さんと住友さんがやってきてまた話に花が咲いた。私はメラトニンのせいか、頭がボケていたので、また車に戻って寝転ぶことにした。暑いし、気持ちも昂ぶっているため、寝ることはできないが、目を閉じて寝転ぶことによって体の疲労がとれることを期待した。

 5月4日のゴール後は疲れているだろうからと、車中泊ではなくて旅館に泊まることにしていた。予約金1000円を払って、惣野旅館を希望していたのだ。しかし、申し込みが遅かったので、惣野旅館ではなくて太陽堂というところになっていた。懇親会も申し込んでいたので、旅館に泊まったほうが便利なのだが、ゴールしてチェックインまで時間があるはずだし、その間に車で寝て待つんだったら、そのまま車中泊にしてもいいと思い、太陽堂に電話してキャンセルした。

 午後1時半になったので、県庁の食堂に昼食を食べに行った。これから大会が始まるとうどんばっかり食べることになるので、うどん以外のものを食べた方がいいとのこと。カロリーの多そうな、チャンポンメンと、カレーを注文する。さすが県庁の食堂だ。かなり安価なのだが、それなりの味だ。おいしくない。

 食後、3時から武道館で説明会。武道館は明治時代に造られたような古い建物で、中の照明も古めかしい。さすがに長州の国の施設だ。ここで、武内さん、INAIさんと初めてお会いした。お二方とも初めてなのだが、何故か懐かしい感じがした。ずっとネット上で親身にして頂いているからだろうか? あぼし@FRUNさん、クワチャン@UMMLとも再会。あぼしさんは歴史街道で擦れ違ったことがあり、その後はほにゃらかさんの掲示板でご一緒させて頂いている。クワチャンは1999年のしまなみ海道の前半を一緒に走ったのだ。

 実行委員長の小野さんの挨拶で説明会が始まった。「今回は初参加が多いけど、250キロは他の大会で経験しているんでしょう?」ということを言われていた。私は練習では80キロ弱が最高で、大会でも100キロしか走ったことがないのだ。なんだか気弱になる。

 説明会後、UMMLのメンバーが集まって記念撮影(一番右端で立っているのが私)。

UMML集合写真。写真提供はクニさん
UMML集合写真。写真提供はクニさん

 県庁の駐車場に戻って最後の荷物チェックをする。午後5時20分に瑠璃光寺に移動しようという約束なのに、午後5時前から古屋さんはザックを背負って準備を完了している。気持ちがはやっているようだ。

 午後5時20分、瑠璃光寺に向けて移動を開始した。


  1.瑠璃光寺〜川尻岬
 
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Last update: June 15, 2003