川尻岬  107km:   (5月3日7時10分 到着予定)

 水尻岬を出発し、かなり走ったところで古屋@福岡さんと遭遇。調子は良さそうに見えた(しかし、実はお腹の調子が悪かったらしい)。

 段々畑(というより、田んぼ?)を見ながら急坂を下る。ここも大村さん、川口さんたちは調子が良さそうだ。しかし、私は下りで飛ばすと膝を壊しそうだし、強剛母趾&外反母趾の左足がシューズの中で痛むのだ。彼らに迷惑をかけないように、なんとかゆっくりペースで我慢しながら降りていった。

景色は綺麗だけど、下り勾配がきつくて足が痛かったです
景色は綺麗だけど、下り勾配がきつくて足が痛かったです

 


シーブリーズ  113km:   5月3日9時19分到着  (14時間59分経過)
    5月3日8時10分到着予定  (1時間9分遅れ)

 シーブリーズには他の二人から少し遅れ気味で到着。やっぱり下り坂の影響か足が痛いのだ。ここでは、アイスコーヒー、オレンジジュース、グレープフルーツジュース、(コーラもかな?)から一つを選択できる。疲労回復を期待してオレンジジュースを選ぶ。席について飲み干した後、トイレに向かう。ここで顔とメガネを洗った。メガネを洗うのは2回目だ。最初はエイド毎に洗う予定だったのに。

 他の席であぼしさん座っていた。シーブリーズの前で写真撮影。外に出て走り始めた後、あぼしさんが追いついてこられた。ここから一緒に走ることになった。

ちょっと元気になったかな この頃から、あぼし兄貴と一緒になる
ちょっと元気になったかな この頃から、あぼし兄貴と一緒になる

 


立石観音  117km:   5月3日10時4分到着  (15時間44分経過)
    5月3日9時00分到着予定  (1時間4分遅れ)

 チェックポイントでチェックシートにチェック。大村さんがここにトイレがあるというので、川口さんがトイレに向かう。彼女を待つ間に自販機でドリンクを買った。それにしても暑い。私や川口さん、大村さんは頻繁に給水をとっているが、あぼしさんはあまり取っていないようだ。体質だろうか?

立石観音前で チェックポイントを探して、ここに登る人もいるそうな
立石観音前で チェックポイントを探して、ここに登る人もいるそうな

 ここから千畳敷に向けて走る。炎天下をきつい上りを走っていくのだが、大村さんが時間を決めて走ろうと提案。あまりにもきつい坂なので、2分走って1分歩くことにする。当初、大村さんさんと元気そうなあぼしさんが引っ張る予定だったようだが、大村さんがすべて引っ張ってくださった。

 途中、川口さんが、エアサロンパスを貸してくださった。私は宗頭行きの荷物の中に入れていた。彼女曰く、さっきはこれを使って復活したとのこと。あやかりたいので、足に吹いてもらった。どうやら気持ちよさそう。私も宗頭以降はザックの中に忍ばせておくことにしよう。

 


千畳敷  125km:   5月3日11時22分到着  (17時間2分経過)
    5月3日10時20分到着予定  (1時間2分遅れ)

 千畳敷の食堂のある最後の坂あたりはずっと歩き。広い駐車場にトイレがあり、その先の頂上あたりに食堂があった。食堂前の金網にチェックポイント。ここの食堂のアイスクリームがおいしいと平井さんに聞いていたので、大村さんたちにアイスを食べようと提案。300円もしたが、本当においしかった。ゆっくり堪能した後で、さっきの駐車場のトイレに向かった。

例年は強風で寒いそうですが、今年は暑かったです。ソフトクリームが最高においしかった
例年は強風で寒いそうですが、今年は暑かったです。ソフトクリームが最高においしかった

 駐車場には見覚えのある車が停まっていた。古屋さんのお知りあいの方のワゴン車だった。そういえば、今日は古屋さんの奥さんと一緒に千畳敷で応援すると言っていたことを思い出した。

 近寄ると、あちらでも私に気付いたようだった。古屋さんは一時間くらい後を走っていることを知らせた。どうやら平井さんから連絡が入っており、お腹の調子が悪いそうだ。暑さで給水を取りすぎたのだろうか? スイカ、オレンジ、ドリンク、飴、等なんでもあるからどうぞと言っていただいた。スイカが欲しいですと言いかけた頃、大村さんから「出発するぞ〜」という声。仕方ないのでスイカは諦めてトイレだけ行ってから出発した。ごめんなさい。古屋さん。

 


西坂本  129km:   5月3日12時8分到着  (17時間48分経過)
    5月3日10時40分到着予定  (1時間28分遅れ)

 西坂本のエイドに近づくと、中学生の応援があった。先生も一人。皆、青い体操服を着ている。暑い中、長時間に渡るサポートをしてくれている。本当に頭の下がる思いだ。

女子中学生と先生から声援を受けて元気を頂いた私。撮影はうめ吉さん
女子中学生と先生から声援を受けて元気を頂いた私。撮影はうめ吉さん

 エイドにあぼしさんと到着して、到着時刻をノートに書いてもらう。建物に上がり込みしばし休憩。ここではカップ麺をいただけるようだ。先に行った大村さん、川口さんは既にカップ麺を頂いていた。数種類のカップ麺が用意されており、番号で選ぶようになっている。そのメニューの中に「マッサージ」というのが用意されていた。思わずお願いしようかと思ったが、その内容が「肩もみ」だったから止めた。脚のマッサージだったらやってもらいたかったが、脚は汗で汚れているし、相手は女子中学生だから色々と問題があるんだろうな。

西坂本エイドの風景。撮影はうめ吉さん
西坂本エイドの風景。撮影はうめ吉さん

 ここで、もっと先に行ったと思っていた入川@兵庫さんに再会。ペースが落ちてきたのだろうか。私はかなり脚が痛くてペースが落ち気味だったし、これ以上、大村さんに迷惑をおかけできないと判断し、ここで別れることにした。大村さんに先に行って欲しい旨をお願いし、了解を得た。ここで大村さん、入川さん、川口さん、あぼしさんとお別れだ。私はここから単独で仙崎、鯨墓方面を目指す決心をした。

 建物を出て走り出そうとすると、前に一人のランナーがいた。赤野@山口さんだ。単独行を覚悟していたのだが、ここから二人で走ることになった。

 黄波戸の町でアイスを買おうということになった。赤野さんは水も欲しいそうだ。彼はザックにハイドレーションシステムを装着している。これはザック内にハイドレーションパック(水筒)を入れておき、ザックの外にはそのハイドレーションパックから伸ばしたチューブを装着しておくもの。私も持っているが、ザック内のハイドレーションパックはペラペラで、その中に水やお茶を入れるのが面倒でもってこなかったのだ。

 赤野さんのシステムを見てびっくりした。ハイドレーションパックの代わりに500ccのペットボトルを使っているのだ。ペットボトルからチューブが出ている。私の持っているハイドレーションパックの蓋がペットボトルに装着できれば、ペットボトルが使えるかもしれない。そうすれば、ドリンクを買ってハイドレーションパックに移すという行為が不要でかなりありがたい。帰ったら確認してみよう。

 道沿いには店はなさそうなので、一本内側にあった旧道を走った。ようやく店を見つけて中に入ってみると、アイスのボックスもある。中をのぞいてみると、ソーダ味のものがある。クリーム状のものだと喉が渇いてしまうので、氷菓のような感じのものがいいのだ。それで、各自二つ買おうということになって品定めも終えた。しかし、お店の人がいない。「ごめんくださ〜い」と声をかけてみても誰も出てこない。何度か声をかけても出てこないので、泣く泣く店を出た。品定めまで終わっていたのにぃ、かなりショック。

 元々の道路に戻って、歩き走りを再開した。前方の目標物を決めて、そこまで走り、しばらく歩いてから再度走るというやり方だ。前方の茶色い屋根の建物まで走ろうと決めて走ってみると、その建物は運良くお店だった。お店に入ってみると、アイスのボックスもあった。しかし、水は2リットル単位でしか売ってなかった。とりあえずアイスだけ買うことにした。店の奥に声をかけるとおじさんが出てきた。やった、これで買える。ソーダ味のアイスがあったので、これを購入。水が欲しかった赤野さんに、店のオジサンに水を頂けば? と聞いてみる。オジサンに聞くともちろんOKとんこと。赤野さんのザック内のペットボトルに水道の水を頂く。私もついでにコップ一杯の水を頂いた。厚かましくてごめんなさい。

 ここから仙崎までが遠い。アップダウンを繰り返して、街中に入る。街中では信号にひっかりながらまっすぐの道を仙崎を目指す。信号待ちの際は暑くて影を探すがなかなか見つからない。太陽がほぼ真上にあるから仕方がないか。

 


仙崎T字路(往路)】  142km: 5月3日2時35分到着  (20時間15分経過)
    5月3日12時10分到着予定  (2時間15分遅れ)

 仙崎のT字路についた。ここを左折。しばらくいったところにチェックポイント。ここで到着時刻をノートに書いてもらった。ここから鯨墓まで走って戻ってくるので、荷物を預けることにした。赤野さんはザックにハイドレーションシステムを付けているので、背負ったままで行くとのこと。毎年、ここにエイドがあるのだが、今年はないようだ。次は静ヶ浦キャンプ場とのこと。隣にあったトイレに入ってしばらく休憩して走り出した。

仙崎チェックポイントの風景。撮影はうめ吉さん
仙崎チェックポイントの風景。撮影はうめ吉さん

 コンビニのような店を探すがそんなものはない。道路の向こう側に蒲鉾屋さんがあり、そこにアイスクリームのボックスが見えた。早速、赤野さんとアイスクリームの品定め。ここには欲しかったソーダタイプのものがなかった。仕方ないので近いもので手を打った。店の前にあった椅子に座って堪能。期待していたよりもクリームっぽい感じで喉が渇くかもしれない。

 青海島大橋を渡り、アップダウンがきつくなる。赤野さんによると、順調にいったとしても、鯨墓まで行って帰ってくるのに3時間はかかるとのこと。と言うことは、仙崎に帰ってくるのは5時半。宗頭に着くのは何時になるのだろうか? 暗くなることは間違いなさそうだ。私の予定では宗頭には明るいうちに余裕を持って着くはずだった。だから、川尻岬から宗頭間は軽量化のためにライトを持っていないのだ。目論見が大外れだ。

 なんとか明るいうちに宗頭に着きたいので頑張って走りたいのだが、上り坂になると足が痛くてペースが落ちてきて、しまいには走られなくなってしまう。おまけに下り坂も足が痛くて走られない。ちなみに、痛い箇所は上りと下りで違うのだ。上りで痛いのは純粋に筋肉痛だ。これは大腿四頭筋と、脹脛が痛い。下りはそれらに加えて、両足の母趾が痛いのだ。特に左足の母趾は強剛母趾&外反母趾の二重苦なので、とてつもなく痛い。

 赤野さんの走るペースは明らかに私よりも速い。何度も何度も待って頂いた。赤野さんの走り方は適度に歩きを交える走り方で私にも都合が良かった。それにしても、赤野さんはかなり睡魔に襲われてしまっていたようだ。私を待つときに寝転んでいたりもした。途中でカフェイン錠を頂いた。薬に頼るほど眠かったようだ。

 


静ヶ浦キャンプ場(往路)】  148km:   x時x分到着  (x時間x分経過)
    5月3日13時10分到着予定  (x時間x分遅れ)

 キャンプ場について到着時刻をノートに記入。ここは食堂で、食券で何かを注文できるようだ。赤野さんは静ヶ浦キャンプ場にエイドステーションがあると思っていたらしく、かなり怒っていた。エイドじゃないんだったら、立ち寄るんじゃなかったとのこと。

 無用のキャンプ場に立ち寄って20分くらい時間をロスしただろうか、また歩いてスタートした。赤野さんの走るペースは快調で私はすぐに離されてしまう。しかし、彼の走り方も歩き走りで、ある程度走ったら歩きを交えて休むというやり方。私は彼が歩きに入ったところでなんとか追いつけるという程度だった。まぁ、彼にしてみれば、遅い私を待つという意味もあって歩いているのは間違いないだろう。

 それにしても登り坂がきつい。さっきのキャンプ場で食事をしなくて正解だった。食べていたら、この坂を登るのはイヤになっていただろう。

 何度か彼が眠いとか気分が悪いとかで立ち止まったことがあった。私もここで立ち止まって彼の回復を待ってもいいのだが、こうすると、二人のペースはどんどん落ちてしまう。彼が立ち止まっているとこきは、ペースの遅い私は歩いてでも先に進んだ方が二人のペースは上がるはずなのだ。彼が気分が悪くて立ち止まった時は心を鬼にして、「ゆっくりと先に進んでいます」と彼に告げて前に進んだ。彼は理解してくれただろうか?

 なかなか大村さんたちがやってこないので、我々がキャンプ場に立ち寄っている間に行ってしまったのだろうと、赤野さんと話していた。鯨墓まであと少しというところで、前方から大村さんと入川さんがやってきた。続いて、あぼしさんと川口さんのペアもやってきた。そんなに離されていないようだ。我々のペースも落ちているが、彼らのペースも落ちていると赤野さん。しかし、ここから鯨墓までは20分ほどかかった。ということは、我々との差は1時間弱はあるということだ。

 


鯨墓  153km:   16時47分到着  (22時間27分経過)
    5月3日13時40分到着予定  (3時間7分遅れ)

 山を越え、平地に降りてきた。漁村のような町並みを走る。

 鯨墓に着いた。チェックシートにチェックをして給水を頂いた。暑さにめげていたので、冷たいお茶がおいしかった。エイドの女性から声をかけられた。鮎川さんからの伝言の「がんばれ」を伝えてくれたのだった。

鯨墓チェックポイントの風景。撮影はうめ吉さん
鯨墓チェックポイントの風景。撮影はうめ吉さん

# この女性は中野さん。マタニティドレスを着ていた。鮎川さんの話では、予定日は7月頃だとのこと。妻と同じ頃だ。妊婦で体の自由も利かないだろうし、ずっと立ってるのも疲れるだろうに、長時間、暑い中のスタッフ業務ありがとうございました。

 隣の記念館は既に閉まっていたがトイレを使わせていただけた。ラッキー。公衆電話があったので、ここで自宅に電話。妻の携帯の番号を覚えてなかったので、自宅に電話したが留守電だった。場所と時間ならびに近況を簡単に連絡しておいた。

 ここで、遅れていた谷川さんが追いついてこられた。手には2リットルのペットボトルを持って走っていた。500ミリリットルのペットボトルを持って走るのは私もやっているし、よく見るのだが、2リットルなんて初めてみた。「凄いですね」と話し掛けると、「暑いから体にかけながら走っているんです」とのこと。しばらくして、私がのんびりしているうちに出発された。

 記念碑のところに戻ると、赤野さんが寝転んでいた。ここで睡眠をとるとのこと。彼に聞くと10分ほど寝るというので、スタッフの女性に、必ず10分で起こしてやって欲しいとお願いして私は先に行くことにした。

 鯨墓を一人で出発してしばらくして、平井さん、宮本さん、住友さんの3人組と遭遇した。片道の時間差は5分くらい。ということは、20分くらいの差だろうか。一人で走るとついつい甘える方向にいってしまう。歩きと走りの割合が歩きの方が多くなってしまうのだ。平井さんたちは当分の間やってこないと思っていたら、まずは平井さんがやってきた。こちらにペースをあわせてくれてしばらく話をした。脚が痛いというと、ウェストポーチに入れていた冷却スプレーで脚を冷してくださった。気持ちよかった。

 その後、宮本さんと住友さんがやってきた。宮本さんは何故か走っている最中に鼻血が出たそうだ。片方の鼻の穴にティッシュを詰めている。走りにくそうだ。彼らは快調に走りつづけ、また私は一人になった。静ヶ浦キャンプ場近くでINAIさんを発見。彼はこれから鯨墓に向かうところだ。エールを送りあった。


静ヶ浦キャンプ場(復路)】  157km:   (5月3日14時10分 到着予定)

 キャンプ場近くで、平井さんたちに追いついた。彼らはエイドに寄っていくとのこと。当初の予定では、私は寄らない予定だったが、スタミナが切れかかっているのを感じたので、うどんを頂くことにした。エイドステーションになっている食堂に入ってうどんを注文した。

 そこに武内さんが入ってきた。武内さんは店員さんに、「食券を持ってないから現金で払わせて〜」と言っている。 ??? 「もしかして、仙崎で荷物と一緒にチェックシートを預けたの?」と聞くと、ようやく武内さんも大変なことに気付いたようだ。鯨墓のチェックポイントでチェックシートが必要なのだ。ここから仙崎まで取りに帰ることはできないし、どうしたものかと皆で考えた。箸袋を持って行けという人もいたし、何らかのものにチェックしてもらえという人もいた。まぁ、なんとかなるだろう。それにしても面白いことをやってくれる人だ(笑)

 それにしても足が痛い。ここからもまたいっぱい歩くのだろうなぁ。暗い顔をしていたら、隣に座っていた平井さんが鎮痛剤いります? と聞いてきた。ありがたい。私も鎮痛剤や胃腸薬を持っているのだが、それらは仙崎に置いてきているのだ。今もっているのは地図とチェックシートだけ。ありがたく頂戴して飲んだ。更に、平井さんは冷却スプレーをくれるという。残量が少ないし、平井さんは不要だから使いきってもいいと言ってくださった。結局、彼女からは鎮痛剤と冷却スプレーまで頂くことになった。

 ヘッドライトをもっていないことを話していると、宮本さん、住友さん曰く、仙崎から宗頭までの経路上で暗くなるだろうから、仙崎あたりで一緒に走ってくれる人を探したほうがいいだろうとのこと。ペースが合わなくてついていけなくなったら、別れて次のランナーを待てばいいとのこと。確かにそうするしかない。

 食堂から外に出てトイレに行っているうちに徳島三人組は出発したようでいなくなっていた。さぁ、歩いてでかけようと思ったところに赤野@山口さんが到着。かなり辛そうだ。彼はこれから給食。軽く挨拶してわかれた。

 キャンプ場エイドから仙崎までは必死で急いだ。なるべく明るいうちに前に進んでおきたかったからだ。途中でくーさんと遭遇。元気そうだったが、かなり眠たくて、仙崎からここまでの間に2回も道端で寝てしまったとのこと。キャンプ場エイドの給食は復路で寄ったほうがいいとアドバイスした。食べてすぐは鯨墓までの登り坂は辛いと思ったからだ。

 仙崎チェックポイントまでもう少しの地点になって、前方からやってきた女性が「すみませ〜ん」と声をかけてきた。写真でも撮ってくれと頼まれているのかと思っていると、サンバイザーを仙崎チェックポイントに置いておいて欲しいとのこと。これから日が暮れるのだから、不要だと気付いたのだろう。ゼッケン番号を聞いてサンバイザーを預かった。


仙崎T字路(復路)】  163km:   18時57分到着  (24時間37分経過)
    5月3日15時10分到着予定  (3時間27分遅れ)

 仙崎のチェックポイントに戻って荷物を受け取ろうとすると、そこには平井さん、宮本さん、住友さんの徳島三人組がいらっしゃった。どうやら、私のペースが普通に戻りつつあるようだ。宮本さんから、「復活したのだったら一緒に宗頭に向かいますか? 知らない人と一緒よりもいいでしょう」とおっしゃって頂いた。思ってもなかったことなので、即座にお礼を言って、ご一緒させていただくことにした。

 まずは先ほど預かったサンバイザーの持ち主の荷物を探して、そこにサンバイザーを置き、預けておいた自分の荷物(と言ってもウェストポーチだけ)を受け取って装着した。それから、スタッフに空の冷却スプレーの処分を御願いした。ジュースの缶だったら自販機のゴミ箱に捨てるのだが、スプレー缶を捨てるわけにはいかない。申し訳ないのだけど、スタッフに御願いするしかなかったのだ。

 早速スタートだ。皆さん、いいペースで走る。先頭は平井さん。すぐ次に宮本さん。続いて私が走り、最後に住友さん。さっきまで自分のペースで走ってきたのに、久し振りに他の人のペースで走るのはかなり辛かった。しかも、予定では仙崎に着いたら自販機でドリンクを買う予定だったのが、着いてすぐに再スタートしたために、ドリンクを買う暇もなかったのだ。静ヶ浦キャンプ場のエイドでうどんとともに水を飲んで以来、何も口にしていないのだ。しばらく、一人で走ると迷いそうな道を走り、大きな道路に出た。やっぱり一人でなくてよかった。

 周囲は暗くなり、皆はヘッドライトを装着し、ザックには蛍をつけた。私は馬鹿なことにどちらも持っていないのだ。宮本さんが、私に、隊列の中に入るように促してくれた。最後尾になると、照明を持っていない私は後続の車から見つけられないのだ。隊列は先頭が平井さん、続いて私。そのすぐ後ろに宮本さん。住友さんは遅れ気味で、隊列から少し離れたところを走っていた。

 前を行く平井さんに、自販機があったら止まっていただけるようお願いした。宮本さんも手持ちのペットボトルが空になったので自販機が欲しいとのこと。しかし、ない。自販機は欲しくなるとないものだ。

 暗い夜道を走り、前方に自販機のような灯りが見えてきた。ここで立ち止まってドリンクを購入。皆、飲むドリンクとザックに入れるドリンクを買っている。私は小型のウェストポーチしかないので、ドリンクボトルを装着できない。平井さんからLEDの小型懐中電灯を貸していただいた。彼女はスペアでもっていた別のライトをバッグから出したようだ。ありがたい。これで私もなんとか足元が見えるようになった。

 平井さん、宮本さんはかなり快調なようで、ずっと走りつづけたいようだ。しかし、私はここまで歩きと走りを繰り返しながらやってきた。少しペースが合わない。我慢してついて行っていると(ペース自体はついていけないスピードではない)、住友さんが遅れてくる。住友さんを待つために3人の隊列は少しペースダウン。これがうれしかった。最終的には、平井さんが時計を見ながら、20分走って5分歩く方法を提案。これなら私もついていけそう。住友さんは大丈夫か?

 この走り方を繰り返して走っていると、前方にぎこちなく歩いているランナーを発見。近づいてみると、見覚えのある格好だ。なんと、大村さんだ! 懐かしさがこみ上げるとともに、なんでここに大村さんがいるのか不思議だった。聞いてみると、脚を痛めたとのこと。肉離れか? それで、川口さんたちには先に行ってもらったとのこと。サポートカーを呼ぶかと聞いてみると、曖昧な返事しか返ってこなかった。サポートカーを呼ぶことを約束して別れた。

 道路右側に照明が見えてきた。皆さんの話では、宗頭はもっと遠かったはずだから、あれは違うだろうとのこと。しかし、目を凝らしてみると、道路で懐中電灯がグルグル回っているのが見えた。あれだ。あれが宗頭だ。やっと辿り着いたんだ。建物に向けて右折するときに、中村さんに会った。彼女はここでもスタッフをして頂いていたのだ。ランナー以外にスタッフも不眠不休だ。本当に頭の下がる思いだ。

 


宗頭  175km:   5月3日20時39分到着  (26時間19分経過)
    5月3日16時45分到着予定  (3時間54分遅れ)

 宗頭チェックポイントに到着。故障者がこちらに向かっている旨と、彼のナンバーカード、氏名、状態を話し、サポートカーを出していただけるよう依頼した。自分の荷物を受け取って建物に入った。

 まずはお風呂だ。お風呂に宮本さん、住友さんと向かった。宮本さんは平井さんとここから急ぐそうで、お風呂は入らないとのこと。着替えだけだそうだ。私は住友さんと一緒にお風呂に入った。私は疲れた筋肉をほぐそうとお風呂に入ったのだが、住友さんは湯船に入らず、頭と体を洗っただけだった。私はのんびり湯船に浸かってくつろいだ。その後で頭と体を洗い、再度体を温めた。

 お風呂から出て、ゴールまでのウェアに着替え、さっぱりした。お尻の感触がよくなった。おそらく、ここまでは汗をかいてそのままで走っていたので、汗の中の塩分がお尻あたりに付着し、これが下着で擦れてできた細かな擦り傷に影響して痛かったのだと思う。お風呂に入ってお尻を洗い、綺麗な下着とタイツに着替えることにより、お尻のトラブルが解消されたように思う。これからも是非お風呂は入りたい。

 食堂に戻ると、既に住友さんが食事をされていた。私も住友さんの前に座ると、食事が出てきた。ここでは既にリタイヤされたランナーがボランティアをされているような雰囲気だ。ありがとうございます。

腹ごしらえをして、これから夜のランに出発だ!
腹ごしらえをして、これから夜のランに出発だ!

 周囲を見渡すと、あぼしさんと川口さんを発見! なんでここにいるの? 聞いてみると、大村さんと別れてから、道が不案内なので、道に詳しい人を待っていたとのこと。聞くところによると、1時間くらい待っているという。住友さんが道を知っているはずなので、一緒に行くかと聞くと、是非そうしたいとのこと。私はここから単独で走る予定だったのだが、住友さんに一緒に行きたいとお願いした。住友さんは三見駅あたりがわからないが、そこまでは大丈夫だから、一緒に行ってもいいよとのお返事。

 その間に出発準備を整えた宮本さんと平井さんが出発された。彼らはなんとか40時間きりを目指すとのこと。実は、この二人は豊田湖への鋭角な右折を見落として豊田市街地まで行ってしまったそうだ。そこから引き返して豊田湖に行ったので2時間ほどロスしたとのこと。従って、公式タイムとしては40時間には間に合わないが、内輪のタイムとしては42時間以内のゴールを目指しているとのことだった。

 我々も急いで食事をして、荷物の整理をする。まずは地図ケース内の地図を預けておいた最後の地図に入れ替え、ZIPロック内の医薬品等の補充を行った。また、預けておいたエアサロンパスをザックに入れた。ここからは自分のライトがあるから安心だ。乳首の擦れ対策にキネシオテープを貼り、準備OK。歯磨きをしてトイレに行ってから出発。本当はもう少しゆっくりしたかったのだが、あぼしさんたちが待っているし、これで終了。さあ出発だ。

 シューズはこれまでのウェーブライダーVIが調子よかったので、このままで行こうと思っていた。しかし、川口さんが、「気分転換にシューズを替えました」と言うので、思わず私も替えることにした。ここに用意しておいたのはウェーブライダー2001。若干、靴底が固いシューズだ。ここからのコースの後半には萩往還の山道があるので、靴底が固い方がいいかともしれないと思った。


1.瑠璃光寺〜川尻岬 3.宗頭〜瑠璃光寺
 
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Last update: June 15, 2003